旅館とホテルの違いについて、なんとなく和風なのが旅館で、洋風なのがホテルと思っている方も多いのではないでしょうか。
旅館とホテルには、設備などの違いはもちろんありますが、利用者に提供するサービスにすこし違いがあります。旅館はお客様のおもてなしに重点をおき、ホテルはお客様にプライバシーとセキュリティを提供することに重点をおいています。
旅館とホテルの違いについて
旅館とホテルは、法律でしっかりと分けられている時代もありました。しかし2018年の旅館業法の改正によって旅館とホテルは「旅館・ホテル営業」とひとまとめになりました。とはいうものの、今ある旅館、ホテルのほとんどは2018年の法改正以前の区分に則っています。
改正前の法律では、旅館とホテルの違いは規模が一つの目安でした。旅館は主に和室の部屋で室数が5室以上で、ホテルは主に洋室で室数が10室以上とされていました。ちなみにそれを満たさない宿泊施設は簡易宿所として民宿やペンションと呼ばれています。
そのほか実際に宿泊する際に気になる違いについて見ていきましょう。
客室と寝具の違い
旅館の客室は主に和室で畳敷きということもあり、寝具は布団が基本になっていますが、旅館によっては洋室とベッドの部屋をもっているところもあります。ホテルの客室は洋室でカーペット敷、寝具はベッドが基本ですが、和室に布団という部屋を用意しているところもあります。
宿泊プランの違い
旅館は主に1室2名以上で夕食と翌日の朝食の2食付きというのが基本です。旅館によっては、1名での宿泊や食事なしの素泊まりに対応しているところもあります。ホテルは主に1室1名以上で、朝食付が基本です。朝食はバイキング形式のところが多く、早朝からサービスがあります。
食事の提供の違いから、旅館は深夜のチェックインや早朝のチェックアウトに対応しにくいといえるでしょう。ホテルの場合は、より遅い時間のチェックインや早いチェックアウトにも対応していますが、時間がわかっている場合にはあらかじめ相談しておくとよいでしょう。
サービスの違い
「温泉旅館」といった言葉があるように、旅館では温泉や大浴場などのお風呂が充実していることが多くあります。温泉地などでは温泉を引いているホテルもありますが、一般的にホテルでは部屋にユニットバスかシャワーが備えてあるという違いがあるのです。
例を挙げると旅館では夕食がつくことが一般的です。地元の素材を使った料理でお客様をもてなし喜んでいただきたいということがあります。和室の場合には、仲居さんが部屋の中に入って布団を敷いてくれますが、ホテルでは基本的に係員が室内に入ることはありません。ホテルではオートロックや防音の壁など、お客様のプライバシーを第一に考えているからです。
旅館とホテルでは、お客様へのサービスや考え方にとくに違いがあります。そのために宿泊の目的の違いなどによって、旅館とホテルにはそれぞれメリットとデメリットがあります。
旅館とホテル、それぞれのメリットとデメリット
旅館は仲居さんが荷物を運んだり、布団を引いたり、また旅館によっては食事を配膳してくれたりと、お客様に対していろいろなお世話をしてくれます。逆に、ホテルのホテルマンは適度な距離感をもって、お客様のプライバシーとセキュリティを第一に考えて行動しています。
次にメリットとデメリットのご紹介です。人によってはメリットがデメリットだったり、デメリットがメリットと感じられたりする人もいるでしょう。最後に、お客様や旅行の目的に合った使い分けについて説明します。
旅館のメリットとデメリット
旅館がお客様に提供するのは「行き届いたおもてなし」精神です。旅館には通常、女将と仲居さんがいることが特徴です。チェックイン・チェックアウト時には女将によるお出迎えやお見送りがあるでしょう。チェックイン後は仲居さんが荷物を室内まで運んでくれ、お茶のお世話をしながら土地の名物や観光スポットなどについてお話してくれます。
夕食と朝食では、土地の自慢の郷土料理を提供してもらえます。こうした人の手による温かみのあるサービスが旅館のメリットです。
温泉や露天風呂、大浴場がある代わりに、客室には内風呂やシャワーなどが設置されていないことが多いでしょう。また洗面所やトイレなども共用なことが多いので、プライバシーを気にする人にはとくにデメリットになるでしょう。
ホテルのメリットとデメリット
ホテルがお客様に提供するのは、「プライバシー」と「セキュリティ」です。特別に希望しない限り、ホテルマンがお世話をすることはありません。好きな時間に好きなことをしたり、外に出て好きな食事をしたり出来ることがホテルのメリットです。
ホテルにより、結婚式場やエステ、会議室など目的に合わせた設備をもっていることが多いのもホテルならではのメリットといえるでしょう。
部屋にこもって好きなことができることはメリットですが、その土地について話しを聞いたり、郷土料理を楽しんだりするためには自発的に行動しないといけない点はデメリットといえるでしょう。
旅館とホテルの使い分け
上記で見てきたように、日常を忘れて至れり尽くせりのおもてなしでお世話をしてもらい、のんびりと羽を伸ばしたいという人には旅館を選ぶとよいでしょう。逆に、あれを見たい、これを食べたいなど旅行先の計画が目白押しという場合や、人に合わずにのんびりと部屋にこもりたいという場合にはホテルが向いているでしょう。
また法的にもホテルは旅館に比べて部屋数が多いのです。急な用事や出張で移動しなければならないという場合、ビジネスホテルなどで急な宿泊にも対応できることが多くあります。旅館などでは夕食の準備などのために急な宿泊には対応していないところが多いでしょう。
夕食をどうするか自分で考えなければならいことが面倒な人や、せっかくの旅行なのだから大きな風呂に入りたい、部屋備え付けのユニットバスでは安らげないという人にはおもてなし精神の旅館が向いています。
まとめ
旅館とホテルの違いについてみてきました。旅館は客室が和室で1泊2食付きが基本で、接客でお客様をもてなすことに比重を置いています。一方、ホテルは洋室でバイキングの朝食がつくことが基本で、お客様のプライバシーとセキュリティに重きをおいているのです。
「博多の宿 旅館まいだし」は、おもてなしを大事にしながらも、洋室（ベッド）と和室（布団）が選べます。また素泊まりプラン、朝食付きプラン、2食付きプランとお客様の目的やご希望に合わせてお使いいただけます。全館FreeWi-Fi完備、自転車の無料貸し出しサービスもありますの、博多へお越しの際は、ぜひ当旅館をご用命ください。
